~ハットの各部を見てみる~
帽子の裏地を見る。
少し年季が入ってますが、創業1759年の世界最古の帽子専門メーカー「Lock&Co.」のヴィンテージ裏地。
ポマード・ガードと呼ばれる天井の透明カバーが、半世紀の使用を経て油紙のように黄色く変色してます。
不潔ではなく、味わい深い。コーポレート・マークもいい意匠で、風格を感じさせます。
高級帽の誇りは、裏地にさりげなく示されているのです。
↓このハットの全体画像
上品な手触りの極上フェルト生地と、汎用性の高いブラウン色の組み合わせ。リボン幅は太いけれど野暮さをうまく回避する端正なシルエット。マスキュリンでありながら印象としてはジェントルで、これぞ英国産の紳士帽。
こうした至高品をかぶって往来を歩く。人と会えば脱帽して会釈し、会話の端緒を開く。回顧主義から言うのではなく、単なるファッションだけでもない。ハットも含めたこうした光景は、なんと慎みのある文明マナーであることか。